ネックを削ります。ネックの形状は弾き心地に影響するのはもちろんですが、実は、他にとても重要なことがあって。
トップやバックのタップトーン(チューニング)は知られていますが、僕はネックもタップしてチューニングしてます。これね、完成したギターに露骨に音として影響する部分なんです。ホントに重要で、もしかしたらトップやバックのチューニングより大切かも、と僕的には思ってます。特にセミホロウやエレクトリックでは、ネックのタップトーンの重要度はかなり高いと思います。
最初に1フレットの下と10フレットの下の厚みを出して、テーパーつけます。このテーパー具合も製作家によって全然違うので面白いところでもあります。で、中央の平面以外の両肩を削っていきます。ネックのグリップを整形しながら、削ってタップして、また削ってタップして。
スクレーパーが大活躍です。ただの鉄の板なんですけど、最初にこの道具考えた人スゴイですよね。賢すぎる。
タップして特定のピッチに合わせる、というのではないです。以前の職場の話ですけど、トップとバックのチューニングした音程のデータ取ってました。チューニングしたトップとバックの音程差とかもデータ取ってたのですが、音程を全く一緒に揃えて完成させたギターの音がまったく違ってたりして。2本ともトップとバック同じ音程にチューニングしてあるのに楽器のキャラクターが別物になったり。ああ、楽器製作ってそういうことじゃないんだな、と。そんなことありましたね(遠い目で)。奥が深いです。
僕のやり方ですけど、タップした時のアタック感とサステインで決めてます。昔の古典ジャズと今のコンテンポラリーなジャズでは、ギターの役割がまったく違うので、求められるギターサウンドも当然違ってきます。今回このネックは超コンテンポラリー仕様にしました。単音弾いただけでもバンドを引っ張っていけるパワーがある、コルトレーンの音をイメージしてみました。
グリップはこんな感じです。
タカさんの作るギター、画像を通して見てても不思議とオーラが溢れる良いギターになってきてますねー!
なんだがとてもミュージカルで歌ってくれそうな佇まい、惚れ惚れします!
いつかそう遠くない未来で、私も仕事を登れたら、その時はオーダーしたいと思っております!
たくさん作れたら、お店に置いていただいたりとか出来るのですが、完全に手作業なのでどうしても本数が少なくなってしまっています、、、。ちょっと気合入れて頑張らないといけませんね。