蓮の花は泥水から美しい花を咲かせます。不思議なもので、綺麗な水の所だと花が咲かなかったり、咲いたとしてもとても小さいんです。美しい大輪の花を咲かせるには、とても汚い水が必要なのです。

 

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人間に例えるとどういうことでしょうか?

 

泥水とは、悲しいことやつらいこと、困難や理不尽なこと、自分にとって大変なハードルのことです。こういう経験があるからその上に大輪の花を咲かせることが出来る、ということを蓮の花は教えてくれています。てことはですよ、悲しいことやつらいことは必要なことで、実は、とても大切なことなのです。

 

例えばの話、自分の思ったことや願い事、理想が瞬時に叶ったらどうでしょう?

 

なんでも手に入るんです。一億円欲しい、と思うとすぐポン!て目の前に現れるんです。お腹空いたな〜ラーメン食べたいな、と思うと目の前に現れるんです。あのギター欲しいな、と思うとやっぱり目の前にすぐ現れて手に入るんです。歳とりたくない、若返りたい、玉の輿になりたい、ってのも実現するし、あの場所に行ってみたいな、と思うだけで瞬時に移動出来るんです。自分に嫌なことを言ったりしてきたりする人もいません。周りにいる人たちは自分にとって都合の良いことしか言わず、自分のどんな意見にもどんなことにも共感してくれます。

毎日、願いが叶うし欲しい物がなんでも手に入る人生です。毎日、毎秒です。歳もとらないので寿命もありません。もう、毎日毎日、なんでも思ったことがすぐに叶うんです。ずーっと、もう、永遠にその状態です。

 

 

どうでしょう、願いが叶って幸せになれたでしょうか?

 

 

それらの欲しい物を手に入れたり、どんな“夢”でも叶ったり、自分に嫌なことを言ったりしてきたりする人もなく、悲しいことやつらいことがまったく起こらない人生=幸せ、と思っていたのは、実は、幸せでもなんでもない、ということに気がつくと思います。何も生まれないし、次につながっていかないんです。

 

ということは、悲しいことやつらいこと、困難な状況に自分が在る、という状態は、実は、とても深い意味があることなのではないでしょうか?自分の思うようにいかなかったり、欲しい物が手に入らなかったり。つらいことが自分の身に起きたりというのは、自分にとって“本当に価値があるもの”は何か?を見つけるために必要不可欠な教材なんです。

 

 

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ギターは練習しないと絶対に上手くなりません。どんなに優れた音楽家に習っても、天才ギタリストに教えてもらっても、自分で考えて試行錯誤していかないと本当の意味で弾けるようには成りません。練習とは、自分に出来ないことを受け入れて出来るようになるためにどうするか考えて行動を起こすことで、自分と正直に向き合わないといけません。その状態は、泥水の中にいるような感覚です。

そのプロセス(泥水)を経て、大輪の花が咲く、という結果が在るのです。しかしです。これには落とし穴があって、大輪の花を咲かせるためにそのプロセスをしている、という順番ではないような気がします。少なくとも蓮は、美しい花を咲かせてやるぞ!という心持ちで泥水の中に在るとは思えないのです。

 

ということは、結果を得ることは思っているほど重要で価値があるものではない気がしてくるのです。

 

困難な状況やつらい時、いわば泥水状態に在る時、状況を打開するために努力したり、 耐え忍んだり、我慢しないといけません。ここにこそ本当の価値があるのではないでしょうか?

 

泥水の中にいて、それでいいんです。その状態がすでに美しく、とても価値があるのです。

 

 

蓮の花はそれを教えてくれているような気がして、僕は心を惹かれるのです。

 

 

自分で言うのも恥ずかしく、とてもおこがましいのですが、ギターのヘッドのデザインは蓮の花をイメージしています。

 

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僕の作ったギターを弾く人、このギターを通してその人の音楽を聴いた人。その人たちにいつか大輪の花が咲きますように、という想いを込めて一本づつ彫っています。

Written by タカ

音楽家。ギター製作家。ヒューストン・テキサス在住。

4 Comments

博雅

美しいヘッドですね。
スロテッドヘッドにも音響的な意味とかデザインのこだわりがあるのでしょうか?

Reply
タカ

ありがとうございます。デザインのこだわりですね。わがまま、とも言います(笑)。

Reply
坂本 学

タカさん
はじめまして、坂本 学と申します。
以前からブログの方折々で拝見しておりました。

自分は昨年上京し現在都内でギタリストとして活動しております。
今回ご投稿されていたLotusの記事を遅れ馳せながら
読ませて頂き、今現在の自分にとって、とても響くものがありました。
ありがとうございます。

実は昨年末にMarchioneのギター(トップが1ピースのセミホロウで
Mike Morenoスタイルのもの)を渋谷Hoochiesさんにて
漢の長期ローン(笑)で手に入れました。
タカさんが在籍されていた頃製作に携られたものでしょうか
本当にすばらしい楽器で、自分を映す鑑のようです。
現在は独立なされたとのことで、製作過程も
こちらで拝見しております。楽器、是非とも弾いてみたいです!

読んでいただきありがとうございました。
今後もご活躍応援しております!
坂本 学

Reply
タカ

坂本 学さん。

初めまして。ブログ、読んで頂いてありがとうございます。何かのヒントになって頂ければ、とても嬉しいです。

漢の長期ローン(笑)、やってしまいましたか。実際に見ると確実ですが、僕が製作したものだと思います。

プロのミュージシャンだそうで、音源やライブ告知などありましたらぜひお知らせください。このサイトにログインして、ライブ告知をここに載せることが出来ます。どんどん活用して下さい。

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