研ぐ、というコト。

 

ここ1年くらい、研ぎを見直しています。以前、アーチトップギターを製作して、その完成したギターを見ていて何かが足りなくて。何でだろう?って、ずーっと考えて。アーチも綺麗で木工の精度も高く、音も良い。でも何かが足りない。凛としたものが感じ取れないんです、その楽器から。頭の中で全ての工程をひとつひとつ巻き戻して、考えたんです。行き着いた答えは、研ぎが下手だから、と気がつきました。

10年以上、プロとして木工をしてきて、情けないのですが、研げた気になっていただけで実際は全く出来ていませんでした。恥ずかしいです。

今までの研ぎ方を破棄して新しい方法に変えてからは、毎日毎日、研いでも研いでも全然出来なくて。恥ずかしいやら情けないやら、それでも毎日研いで。最近になって少しづつですがコツが掴めて来ました。まだまだ恥ずかしいレベルなのですが、自分を戒めるためにも写真を載せていこうかな、と。

そんなこんなでコツコツやっとります。

鑿

 

“研ぐ、というコト。” への6件の返信

  1. 新しいスタート、御目出度う御座居ます。お元気な様子がうかがえて何よりです。
    日本職人の道具、特に”ハガネ”は海外には無い物です。
    私は見習いの頃、親方の鉋 鑿の研ぎを毎日々やりました。
    廻りの先輩も、うまく出来ない様子を見ても何も言わず黙ってみてくれてましたが
    出来なくて悔しくて辛くて泣きました。….これが出来なければ仕事が与えられないのです。
    何度も砥石から水平を出直し、そして研ぎ過ぎで鋼も短くなり、刃先を金槌で叩いて金砂で研ぎ、
    また….毎日やっても3〜4ケ月はうまく出来ませんでした。親方は厳しく、出来が悪いとグラインダーで
    研いだ刃先を削り落し「やり直し」と言うだけ。そして刃物研ぎの次は鉋の台調整…..
    習得するには大変時間が掛かりますが、私は鋼の方が逆目に対する仕上げもいい様な気がします。
    海外では日本工具を扱うのは大変でしょうが、頑張って下さい。応援しております。
    長くなり申し訳有りません。

    1. 日本の道具は素晴らしいですね。考えて作られています。例えば、鑿にしましても、固い鉄と柔らかい鉄を重ねてあるのも誰が考えたのだ?という。凄いことですよ。親方の道具を研いでいたのは、研がせてくれる親方もよほどの人物でないと任せられないと思いますね。oakdaさんを信頼していないと自分の道具を他人に触らせることはしないと思います。研いでも研いでも研げない時の絶望感と情けなさは、僕も知っています。それでも出来るようになるまで研ぐしか巧くなる方法がないんですよね。ありがとうございます。自分に出来ることを信じてコツコツ続けていこうと思います。

  2. 刃文・・美しいですね。
    新しいブログ、いつも楽しみにしています。
    なんといってもタカさんがつくるギターにワクワクします!

    1. Gotouさん。今、製作されているギターは、前回よりも格段に精度が上がって見えますが、製作状況はいかがですか?自作のジグも大活躍のようですね。僕も頑張らないといけません。

      1. 見ていただけたとは・・ありがとうございます。
        そうですね、反省を活かすのは勿論ですがそれを超えたものになるよう
        気分はタカさん流に次のレベルを目指して少しずつ進めていきたいと思います。

  3. タカさん,動き出すのハヤ!!。さすがですね。
    研ぎの精度,体の動かし方の全ての精度に関わってるみたいに感じます。
    そちらでは,オイルストーンが標準なんでしょうか。

コメントは受け付けていません。